自家焙煎とは
自家焙煎の意味は
当たり前ですが "自分で焙煎する" です
珈琲の生の豆(生豆)を買ってきて、自宅で焙煎するということですね
珈琲の焙煎というと喫茶店でたまに見かける大掛かりな焙煎の機械を思い浮かべる人も多いと思いますが、普通にフライパン等を使って手で焙煎することができます、しかもそんなに難しいことではありません、もちろんその道を極めるにはそれ相応の経験や修練が必要ですが、喫茶店で飲む珈琲よりも美味しく飲める程度であれば何回か焙煎してコツを掴めば結構お手軽に美味しく焙煎できてしまいます
もちろん個人用でも自動で焙煎する機械もあり、それを使って自家焙煎されている方もたくさんいらっしゃいますが、今回は機械を使わずに手で焙煎すると幸せになれるというお話をしたいと思います
実際の自家焙煎
まず、私がどんな風に焙煎しているのかを簡単にご説明しますね
用意するものとして
・珈琲の生豆
・焙烙(ほうろく)
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・コンロ
・焙煎したての熱々の珈琲豆を冷やすための容器
・容器に入れた珈琲豆に風を送る扇子
そして、珈琲豆を焙烙に入れてコンロに火をつけて焙烙を振り振りしながら焙煎して15-20分後に容器に移して扇子でパタパタと珈琲豆を冷やして出来上がりです
豆が冷めたあとに不良豆を除去するピッキングという作業もしたりします
一連の作業を動画に撮って1分にまとめたものがありますのでそちらも是非ごらんください
youtu.be
さて、ここからが本題です
珈琲を自家焙煎すると幸せな気分になる7つの理由
1. とっても新鮮でエグ味の無いコク深い珈琲が飲める
当たり前ですが、超新鮮な珈琲が飲めるという幸せを実感できます
珈琲豆は焙煎する前の生豆の状態ではまだ生きています、生豆を土に植えるとちゃんと発芽するので生きているんです、生きているということは新鮮だということ、そして高温で焙煎することで豆は死んで、そこから食品としての劣化が始まります
珈琲も他の食品と同様に時間の経過と共に劣化していきます、珈琲の劣化というのは原因が大きく3つあって、「ステイリング」、「ガス抜け」、「酸化」です
ステイリングというのは、焙煎後の珈琲豆が水分を吸って化学変化により酸っぱくなることです、焙煎により生成されたクロロゲン酸
ラクトンやキナ酸
ラクトンが空気中の水分を吸収することによって再び酸に戻ってしまうという現象です
クロロゲン酸
ラクトンやキナ酸
ラクトンは珈琲の苦味の元となる物質ですので、劣化が進むと珈琲はどんどん酸っぱくなっていきます
次に
ガス抜けですが、焙煎直後の珈琲豆からは大量の
二酸化炭素ガスが発生しています、焙煎直後の豆を使ってドリップすると蒸らしの時に急激に膨らみますがそれは
炭酸ガスが出ているからなんです、
炭酸ガスが出ているとドリップの時にエグ味などの余計なものが抽出されにくいと言われています、但し、焙煎直後のガスの量はさすがに多すぎるとのことで焙煎直後は敢えてガス抜きをして調節しています
古くなってガスが抜けきると後述する酸化で出来たあらゆる雑味やエグ味を全て吸収したエグイ飲み物となってしまいます
最後に「酸化」ですが、あらゆる食品は酸化しますよね、珈琲も例外ではありません
珈琲が酸化すると、香りが失われ、珈琲の脂分が酸化することで有害物質が生成されてそれが胃に悪いとか体調不良を起こしたりします、珈琲には意外と脂分が多く含まれていて古い珈琲を飲むということは古い天ぷら油を使って料理したものを食べることと同じだと言えるでしょう、古い油で調理した料理を食べて胃が痛くなった経験は誰でもあると思いますが、古い珈琲はそれとまったく一緒なのです
ここまでて、古くなった珈琲がいかに不味くて身体に悪いかおわかり頂けたと思います、珈琲の本当の美味しさとか効能というのは「新鮮な状態だからこそ」であって焙煎後5日間ぐらいでに飲まないと本当の美味しさは味わえないのです
やっと結論ですが、自分で焙煎すればそれこそ数分前に焙煎した珈琲を飲むことが出来ます、この真新しい珈琲の風味というのは味わった人にしかわからない素晴らしいものです、これを一度でも飲むと、普段飲んでいるカフェの珈琲やインスタントコーヒーが違う種類の飲み物ぐらいに思えてきます、それほど美味しい珈琲が味わえるので幸せな気分になれるということですね
2. ドリップするときの膨らみ具合が凄いので見ていて嬉しくなる
新しい珈琲は
二酸化炭素が大量に含まれていますので
ドリップの時に粉がぷくっーーと膨らみます、膨らむと同時になんとも言えぬ良き香りが部屋に充満していきます
膨らむのを見るという視覚効果と嗅覚を刺激する良き香りだけで幸せになれるのです
膨らむのを見てるだけで幸せになれるなんて何言ってるの? と思った方!
この1分ほどの動画の中に膨らむシーンがあるので是非見てください
3. 良き香りを何度も繰り返し楽しめる
自分で焙煎すると様々なポイントで珈琲の香りを楽しむことができます
まず、焙煎中に生豆の状態から少しずつ焙煎が進むにつれて香りの変化を楽しむことができます
次に焙煎が終わって冷却のための容器に移し替える瞬間に珈琲の香りがまとまって襲ってくるあの瞬間を楽しむことが出来ます
そして、ミルにかけて豆を挽いている時に出る珈琲の香りを楽しみます
ドリップするときに湧き上がる香りも楽しみます、そして
珈琲カップに注いでその香りを落ち着いて楽しみます
焙煎した豆は保管容器に入れて数日間保管しますが、毎日その容器を開けて香りを楽しみます、焙煎当日と翌日、そしてその翌日と香りはどんどん芳醇になっていき5日目ぐらいがピークになりますがその香りの変化もまた楽しむことができます
このように自分で焙煎することが様々なシチュエーションで珈琲の香りを楽しむことが出来ます、これって珈琲好きにとっては幸せそのものですよね
4. 焙煎直後~5日後ぐらいまで少しずつ味変を楽しめる(5日目ぐらいが一番美味しい説がある)
香りと同じく、焙煎直後から少しずつ味も変化していきます、コクが増していくような感じです、焙煎直後はアッサリ系でこれはこれでとても美味しいのですが、日が経つにつれてコクが増していき毎日どんどん美味しくなっていきます、もちろん5日目以降からは段々と味は落ちていくことでしょう(実はいつも3-4日で飲み切ってしまうのでそんなに日を置いたことがない)
5. 焙煎している15分間は無心でいられる
焙煎の具合は、豆の状態、その気温や湿度などのいろいろなパラメータによって左右されるのではっきりと〇△は何分何秒とかそういう管理はできません(いや出来ると思いますが私はあまりやりたくない)
どのようにするかというと、豆の状態、色、音、香り、煙などを五感を活用しながら、火加減などを調整していきます、昔ながらの経験値に頼るやり方でまったく科学的ではありませんが、こうやって焙煎自体に集中していると「無心」になれます
現代社会において無心の時間はとても貴重です、頭の中の掃除にもなるしストレスも減っていくことでしょう
毎日焙煎して15分の無心を作り出すことによって幸せになれること間違いなしです
6. 焙煎の深さは気分によって自由自在なので謎の万能感が味わえる
現代の複雑な社会では物事を自分で決めて最高の結果を得るということが難しくなっています
自分で焙煎するということは煎り加減を自分で決めることが出来るということです、昨日は浅煎りが飲みたかったけど、今日は中深煎りが飲みたい ということは普通にあり得ますが自分で焙煎していないとその欲求を満たすことはできません
好きな飲み物である珈琲の風味を自由自在に決定し30分もあればそれを実際に味わうことが出来るというある種の万能感を味わうことが出来ます
自分で決めて自分で行動してその結果を自分で味わうという
PDCA(Plan Do Check Action)を自分だけで回してしかも結果はほとんどが大成功というまさに達成感MAXな体験をいつでも経験できるのです
これは幸せ以外の何物でもないでしょう
7. 焙煎したての新鮮な珈琲は胃にとてもやさしい
最後に、新鮮な珈琲は胃に悪くはありません、本当に何杯でも飲めてしまいます、一日に10杯飲んでしまった時にはさすがにカフェイン過多になってしまいApple Watchの心拍変動が高くなってしまいましたが、普通に飲む分にはまったく胃に影響はありません、むしろ、ポリフェノールなどの薬効が効いてくる感じがします(あくまでフィーリング)
もともと植物の種でしかもつい1時間前までは生きていたものを焙煎して頂くわけですから、珈琲のイノチを頂いていると考えるときっとまだ見つかっていない薬効もあるのではと思ってしまいます
まとめ
如何でしたでしょうか、珈琲を自家焙煎すると幸せになれますので是非チャレンジしてみてくださいね、実際の器材や手順などは別途記事にしようと思っています